それではと比較的登りやすい山の選定を始めた。現地エージェントにもお勧めの山を数カ所選んでもらった。昨年アンナプルナ北面にあるKang La(5320m)付近の湖付近(5450m)に泊まって写真を撮っていた時に北西側にある雪を被ったなだらか山並みを眺めて、ガイドに相談、「私でも登れそうかな?」「Chulu Far Eastなら十分登れますよ」と言われて此所に決めたと言う経過があった。
早速、日程表を作成、エージェントに概算費用を出してもらい、参加者の募集を始めた。先の岳友の他に旧友にメールで呼びかけ参加者三名になった。さらに例会で参加者を募り一名増えて四名で参加することになった。(その後一名は病気が見つかり不参加になった)
二月頃に航空券、ホテルも自前で予約する。さらにサミット後の写真トレックも同時に計画し準備を進めた。この時点で今回の45日間のネパールでヒマラヤ通いを最後にしようと考えていた。その後の国内での山行は秋のサミットと写真トレックの為のトレーニング山行としての色合いが濃くなってしまった。
無事ネパールのカトマンズに到着、翌日の打合せでやっとサミットがスタートしたと言う実感がわいてきた。翌日から車での移動、ゆっくりとしたトレッキングが始まった。疲れを残さ無いように高度も一日当たりの標高を500m~600mに押さえ、行動時間も4~6時間と半日行程で日程を組んだ。さらに高度順応日を3600mと4400mで設定して、ゆっくりと高度を上げ無理なく順応を行いました。その中で参加者同士の登行速度の違いが表面化したが、ガイドを含めて全員が一緒に登ることを暗黙の了解として、ハイキャンプからのアタックに望んだ。
アタック当日、ハイキャンプを3時15出発する。コルで準備をして5時55分頃にガイド(L)、T脇、H谷川、I崎、ガイド(SL)の順番でアンザイレンして登り始める。雪は適当に堅くアイゼンが気持ちよく効いている。が、トレース上のデコボコが気になっていた(下山時の8還の下りで足を取られて大変だった)。傾斜が急になり事前に設置してあったヒックスロープにユマールを設置してユマーリングで登る。緩やかになりユマールを外してさらに高度を上げる。二度目の急坂で再度ユマーリング、緩やかになり前ピークに9時42分頃に到着する。記念撮影!さらに本峰へ向けてさらに登り10時25分頃に狭い本峰に登頂する。記念撮影!登り始めて7時間10分、よく頑張った。
事前にヒックスロープを設置してくれたガイド、全員が登頂できるように心憎いまでの配慮などガイドに感謝、感謝である。コルまで下り、さらにハイキャンプで軽い食事をしてBCまで下る。17時45分着。長い一日だった。全員怪我無く登りBCまで元気に帰れた。よかった。
翌日はのんびりと朝食をいただいて、気持ちよく下界に下る。途中のヤク・カルカで昼食・五目寿司のご馳走を美味しくいただいた。トレッキング、車での移動で無事カトマンズに帰ってきた。風呂でサッパリした後に食堂で打ち上げ、ビールを腹一杯いただく。翌日はお土産あさりと日本食、トンバ(粟を発酵させたお酒でお湯を注いで飲む)を楽しむ。岳友の二人は帰国日の早朝にはマウンテンフライトでエベレストなどを身近に空から眺める。良かったらしい。
帰国後、H谷川さんは再度高山を登りたい!と言っている。癖になるんだよなあー。頑張って登ってください。