近くの百名山・雨飾山は1997年10月に百名山最後の締めくくりの山として登った。今回も当然テント泊、2006年10月に紅葉見物で利用した雨飾高原キャンプ場をベースにして二座を登ることにする。
小谷村は首都圏からは遠いので、仕方なく普段は利用しない特急電車を使って小谷温泉・山田旅館に14時頃到着する。約７時間もかかった。キャンプ場まで車道をのんびり歩く。テントを設営して早速宴会を始める。車を利用して日帰りで雨飾山を登る人が実に多い。温泉もあり紅葉時には大混雑するのだろう。
良い天気で明ける。昨夜は随分と冷えて星空が綺麗だった。車道歩きが長いので暗い内に出発する。熊除けの笛を時たま吹き鳴らしながら歩く。雨飾荘下から乙見山峠を経由して妙高へ出る左の林道に入る。現在は金山登山口までで、その先は崩れて通行止めになっている。松尾川沿いに約一時間歩いて登山口に到着する。登山口からは早速の急登だが、ブナの大木を左右に見ながら登る。紅葉時はブナの黄葉が美しいのだろう。ジグザグに高度を上げて稜線に出る。暫くしてこの尾根唯一の水場の有る台地に出た。一休みする。さらに展望のないブナ林を登る。左側の樹林の間から雨飾山が望める。岩稜を左に巻いて登ると、遠くに北アルプス、戸隠連峰が望める。いったん下り急坂を登り、狭い沢状の道に入る。岩盤がむき出しの滑りやすい沢を進む。暫くしてガレの斜面が広がり左を巻いて登る。登山道はオオシラビソの林を抜け、草原に出る。夏はお花畑だろう緩やかな道を進むと山頂標識がある場所に到着する。
目の前に神ノ田園、右に金山、さらに焼山、さらに火打山が望める。左には雨飾山への縦走路と笹原越しに雨飾山が望める。焼山は2011年８月に火打山を経由して登った。山頂三角点を探すも見つからない。笹藪をかき分けても判らなかった。帰宅して資料を調べたらハイマツに囲まれた小高い丘にあり、道は無いとのこと。少し休憩して往路を引き返す。
登山口に戻り緩やかな下りの車道をのんびりと歩く。途中で作業車に乗せてもらう。キャンプ場に帰る途中で山葡萄、アケビを探して食べる。駐車場は満杯、テントは自分だけになっていた。早い時間だが宴会を始める。
最終日は薄曇りで明ける。昨日に続いて暗い内に出発する。鎌池分岐を過ぎ登山口（湯峠）を目指す。大渚山北面の崩壊が凄い。登山口からブナの樹林帯を登り始める。一度下り急登が始まる。右側が切れ落ちている崩壊地を過ぎると傾斜が緩み一登りで山頂に到着する。目の前に雨飾山が霧で少し霞んで見える。寒いので素早く記念写真を撮り下山を開始して登山口まで戻り休憩する。車道をのんびりと歩きキャンプ場まで戻る。テントを素早く撤収して小谷温泉へ向けて下る。時間が早すぎて雨飾荘下の露天風呂は掃除中で入れず、仕方なくさらに小谷温泉・山田旅館まで下る。約30分待ってやっと温泉に入れた。山田温泉は1997年の雨飾山に登ったときに泊まった処で、今風にすっかりきれいになっていた。
バスで南小谷駅に戻り、お酒とつまみを買って電車に乗り込む。チビチビ飲み始め、良い気分の頃に会の塩田さんが乗り込んできた。五竜岳を登ってきたとのことで、お互いにお酒を飲みながら暫く会活動の話で過ごす。彼は信濃大町からバスで帰っていった。松本からまたもや特急を使ってうつらうつらしながら帰宅する。今回はネパールで使用予定の靴のテストを兼ねていて履き心地もマアマアで満足している。二座とも出会った人は少なく静かな山行を楽しめた。
