初日は避難小屋までなのでゆっくりと出発する。が、那須はやはり遠い。黒磯駅からバスで山麓駅に向かい、峰の茶屋までゆっくりと歩いて1時間、一休みしてガレ場を下って15分で避難小屋に到着する。左右二段作りの小屋で、20名は泊まれそうだ。水場は無くて黒磯駅で給水した水約四㍑を担いできた。早速宴会を始める。この日は貸し切りでしっかりと酔ってしまった。
夜半は良い天気で星が綺麗だった。4時過ぎに起床、5時過ぎに出発する。天気は下り坂気味でガスが流れている。このコースは熊が生息しているとの事で、熊除けの鈴を付けて歩く。少々うるさい。三斗小屋を過ぎ樹林帯に入り、大きく下って沢を三本越える。急坂を登って開けた大峠に到着する。目の前に大峠山が望めるはずだが、霧雨と南風が強く吹き付けて霞んでいる。引き返すかコースを変えるか、暫し迷う。これから尾根を越えて向かう福島の下郷町の天気は悪くなかったはずだ。を、信じてこのまま進むことにする。
まだカッパを着るほどではない状態で大峠山へ向けて急坂を登り始める。尾根の南側に出ると霧雨を含んだ風で煽られる。大峠山を過ぎて稜線上に出ると霧雨と風が強くなったのでカッパを着る。その後は但ひたすら歩くのみで、展望は望むすべもない。大きなアップダウンが無いのが救いだ。良い天気なら草原の気持ち良い尾根道で那須連山を一望出来るらしい。流石山は写真を撮ったのみで通過、大倉山(1855m)で一休みする。この先はシャクナゲが沢山咲いていた。三倉山への登り付近から天気が急速に回復してくる。三倉山では太陽が出てきた。が、那須方面は相変わらずガスで展望はなかった。
三倉山からは下り一方で唐沢山を過ぎてドンドン急坂を下る。1100m辺りで尾根道からトラバース気味に沢に下り、ガラガラの歩きにくい沢の中を下る。林道に出てしばらくして稲荷神社側の新登山口に出た(マップと違っていた)。バスの発車時間まで約三時間もある。神社で体を拭いて着替える。養鱒公園駅まで約七・五㎞(約二時間位)なので、待っていても仕方ないので駅へ向けて歩き始める。歩きながらヒッチハイクをするがなかなか車は停まってくれない。約40分位歩いた時に運良く停まってくれた。ラッキー!
予定より約2時間早く電車に乗れる。当然、駅前の酒屋でお酒とつまみを仕入れて乗り込む。ガランと空いている車内で宴会を始め、酔い(良い)気分で帰る。