大棚入山 (2375m)

9月7日〜8日

木曽福島駅−タクシー−水沢電波塔入り口(取付点)12:35・・・水沢山14:40(泊)5:50・・・P2090m6:20・・・P2143m6:35
・・・P2150m6:50・・・P2320m7:30・・・大棚入山8:01/8:20・・・水沢山10:10/10:35・・・車道11:40・・・神明12:45

 大棚入山(おおだないりやま)は、中央アルプス北端に位置する不遇なヤブ山。以前は中央アルプスの縦走路が通っていたが、ロープウェイの開設等によりいつしか通るものもなくなって現在は孤高を保っている。木曽山脈の将棊頭山から北にのびた尾根上にある標高2375mの山。山体すべてが長野県に属し、山頂には二等三角点がある。分水嶺となっており、降水は、東側は犀川上流の奈良井川(信濃川水系)へ、西側は木曽川水系の濃ヶ池川へ流れ込んでいる。今は何処から登っても明確な登山道はない。また、大棚入山は国土地理院が発表している山岳標高171位になっている。

 藪山なので好天を確認、青春18切符を利用して出かける。早朝に家を出発、座り続けてやっとお昼前に木曽福島駅に到着する。バス停から約2時間車道を歩くのが嫌でタクシーを利用して取付点へ向かう。予定のコースは木曽日義林道の最高点(1250m)から取り付き、北尾根をたどって水沢山を経由して、アップダウンのある尾根を詰めて登る予定。林道の最高点にある水沢電波塔入口でタクシーを降り、向かい側の急な斜面を登り始める。取付点には小さな看板で「水沢山登山口」の表示があった。かすかな踏み跡を頼りに進む。所々に赤テープなどが見うけられる。私を含めた物好き?が結構登っているようだ。尾根に上り着き踏み跡もしっかりしてくる。急登が始まり次に笹が出てくる。昔の登山道?らしき窪みに沿って登る。帰りに間違えそうな変化のない膝下位の笹原を過ぎ、暫くしたら背丈ほどもある笹が出てくる。踏み跡らしきところを掻き分け掻き分け、笹を頼りにがむしゃらに登る。標高1650m付近で尾根がはっきりしてきて右に大きく曲がる。地形図を見ながら、コンパス、高度計を使って現在位置を確認する。やっと急登が終わり緩やかな尾根に変わり踏み跡もしっかりしてくる。さらに急登を一登り、約2時間で水沢山に到着する。三角点を確認して苔と落ち葉の上にツエルトを張る。ツエルトはテントに比べて居住性は良くないが、水も持ち上げたし藪山なので仕方ない。

 翌日も良い天気。ツエルトを残して5時50分に出発する。爽やかな風もありうるさい虫(蝿)もいなくて気持ちよい。倒木帯を下り、登り返して水沢山の東峰、また下り登り返してP2090m、尾根の分岐があり赤布を付ける。その後もアップダウンが続き尾根の分岐毎に帰りの為に赤布を付けて進む。標高2200m付近から二重山稜帯に入り注意して進む。P2320mに7時30分到着する。P2360mは岩峰で尾根通しに進む。目の前に大棚入山が見えてくる。もう一息でと気合いが入る。最後は腰まである笹原を掻き分けながら進み、最高点らしき場所に二本の大きな立木があり、そこだけ踏みつけた空間がある。8時に到着。笹に隠れて三角点があった。山名標識などはなく、立木にも訪れた人の思い入れが残るテープなどが巻き付けてあった。しばし休憩、思い入れの山に登頂でき感激に浸る。

 帰りもほぼ同じ時間を要するだろうと早々に下山を開始する。全体的に下りなので尾根の分岐には特に注意して進む。不思議と自分が付けた赤布は覚えているもので、取り外す毎に少し安心する。尾根上は歩きやすいが登山道のように整備はされておらず、Tシャツで登ったために両腕とも、木立や枝でひっかかれて傷だらけになった。また、笹藪では足元が見えず倒木に足の脛を打ち付け、これまた傷だらけになった。尾根を間違えることなく10時10分に水沢山に帰り着く。ツエルトを撤収して自分の赤布を取り外しながらさらに下る。上りで心配していた1350m付近のだだっ広い笹藪で、一つ左の尾根に入ったらしく途中から赤布、赤テープが見えなくなった。急坂を登り返すのも嫌で、下れば車道に出ることは解っていたから、少しトラバース気味に右方向に移動しながら下る。11時40分に車道に出る。取付点から約150m下がった処だった。

 林道をのんびり下る。バス停・神明に12時45分着。近くの秀山荘(温泉)は休業中だった。木曽福島の旅館で温泉に入りさっぱりした後、近くの蕎麦屋で打ち上げをする。帰りも青春18切符で座り疲れるほどの時間をかけて、うたた寝しながら帰る。

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大棚入山の三角点は笹藪の中

御嶽山

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水沢山(2003.8m)にてツエルト泊

三角点は右の木の下