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冬山・残雪記録へ

南会津・大嵐山

2月20日〜22日

 会津百名山にリストアップされている南会津の「大嵐山(おおあれやま)」は湯ノ花温泉から登山道が有り、田代山・帝釈山と共にたくさんの人に登られている。昨年もこの時期に湯ノ倉山経由でチャレンジするも時間切れで敗退した。今回は大嵐山の西側の最短尾根を登ることで計画された。夜行で会津に入ると猛吹雪、車道に積もった雪を車のバンパーが巻き上げ、一瞬にしてフロントガラスが雪で真っ白になり急ブレーキ、除雪車にも助けられてやっとの思いで民宿に到着した。仮眠明けの初日は津々と降る雪と疲れで停滞(温泉と宴会)とする。
停滞日の夜半から天気は回復、朝六時過ぎに民宿を出発する。スッキリと晴れて気持ちがよい。車道を暫く戻って「しらかば公園」から雪の中に入る。湯ノ岐川を渡り渡沢沿いの林道を進む。枝沢を渡って尾根に取り付く。一一五七mピークに向けて北尾根を登る。標高九〇〇m辺りから傾斜が約四五度になりクランポン(アイゼン)をつける。当初、一一五七mピークの岩峰(?)を通過するのにザイルが必要かな?、南側を回り込むかな?、そんな心配をしていたが何のことはなく無事細尾根を通過できた。それよりも手前の急坂が手強かった。傾斜が急なので雪も少なくてクランポンの出歯を蹴りこんで登る。尾根は東向きになり、時たま岩峰が現れて右に左に回り込みながらもさしたる急坂もなく登るが、今回も時間との戦いになってきた。大嵐山を計画してから四年目とのことで、天気も良いし今回こそは登りたい。登り始めに時間制限をしたが、その後は誰も時間のことを言わなくなった。予定時間を約一時間三十分オーバーして、やっと一三時半頃に山頂に到着、登り六時間半かかった。展望は抜群、素晴らしの一言につきる。田代山・帝釈山が目の前にあり、会津駒ヶ岳・会津朝日岳山群が迫力ある姿で望める。尾瀬燧ケ岳の三角形も印象的、七ヶ岳や男鹿山塊、那須連峰、日光連山、昨年二度のチャレンジで登った枯木山、残雪に登った土倉山、昨年秋に行った三岩岳の立派な姿も、さらにその奥に丸山岳、遠くに飯豊連峰、飽きることがない。山頂標識は雪の中で頭だけ出ていた。名残惜しいが写真を撮って早々に下山を開始する。下りながらこんな急な処をよく登ったなーが率直な子持ち。車道に戻り着いたのは陽も落ちた十八時少し前、民宿の女将さんが心配して美味しいうどんを作って待っていてくれた。嬉しかったね。温泉にも入らず、飲みたいビールも飲まずに早々に帰る。岳友は終電車にも間に合ったとのこと、充実した山行になった。

枯木山