北海道日高・カムイエクウチカウシ、神威岳、楽古岳、アポイ岳

7月10日〜14日

羽田7:40−帯広空港−七ノ沢出合〜八ノ沢出合(テント泊)〜七ノ沢出合−広尾−
浦河(温泉入浴)−神威山荘(避難小屋泊)〜神威岳〜神威山荘−浦河(温泉入浴)
−楽古山荘(避難小屋泊)〜楽古岳〜楽古山荘(避難小屋泊)−河浦−アポイ岳登山口
〜アポイ岳〜登山口(入浴)−襟裳岬−広尾−帯広空港19:25−羽田21:00

 北海道・日高の山で、なかなか行くチャンスが無く気にしていた山がカムイエクウチカウシで、岳友の誘いを受けて即参加する。ヒグマによる事故で知られている山で、登山道はなく縦走以外には沢を遡行しなければ頂きに立てない山、雨で沢が増水すると遡行不可能になる、今回は札内川八ノ沢を詰めて登る計画。途中、山岳センターで山の情報を得て、準備をして七ノ沢出合へ。先行者2名、登山届けを出して遡行開始、膝下から太股位の深さの沢を5〜6回の徒渉、河岸や中州の道は踏み跡程度で徒渉点も含めて赤テープを見失わないように注意して歩く。八ノ沢出合でテント設営、薪集め、豪勢な焚き火を囲んでアルコールを頂きながらの夕食、
良い気分で早々に寝る。
 夜半から雨、かなり降ってきた。朝の天気予報を聞きながら相談、撤退を決め雨が降る中を戻る。最初の徒渉点はかなりの増水、ザイルを付けて流れに入るも流されそうで先に進めない。徒渉点を探して彼方此方ウロウロ、確保されながら何とか対岸へ渡りザイルを固定、ザイルに簡易ハーネスとカラビナで自己確保(下流へ流されないように)して二人目が渡り始める。2/3位の流れの速い所で足を取られ沈する。ザイルで確保されているが重いザックと流れの水圧で立てず、水を飲みながらも必死で下流へ移動(流され)全身ずぶ濡れ状態で、やっと対岸へたどり着く。三人目も対岸を目の前にして沈、最後の人は対岸で確保されながら自力で無事渡り終える。その後の徒渉点もザイルを使用して渡るが、慣れたせいか沈は無くなった。行きは2時間、帰りは4時間30分を要した。次の移動の途中で温泉に入りやっとホッとする。
 神威山荘は先客1名、ストーブを焚き暖かく過ごせた。同宿者と共に沢を約2時間遡行して尾根に取り付き、急登(ほんとに鼻が擦れる位)を2時間と少しでやっと神威岳山頂。天気も少し回復して撤退したカムイエクウチカウシ、林道が不通で行けなかったペテガリなど日高の山並みが望められる。帰りは行者ニンニク、タラの芽などの山菜を皆で競って採る。昨日と同じ温泉に入り買い物をして楽古山荘へ移動する。山荘は新築で実に気持ち良いところ、その夜は山菜の天ぷらで多いに盛り上がる。
 楽古岳も昨日に続いての急登で、山頂からは昨日登った神威岳、明日登るアポイ岳、その他日高の山々を眺め、のんびりお弁当を食べる。本日も行者ニンニクを大量に採り、お土産にする。アポイ岳は花で有名な山だが、少し時期が遅かったようで期待したほどのことはなかった。日高草などの高山植物盗掘防止用監視カメラが少々寂しい。
 北海道日高はヒグマが特に多い所で、とにかくビクビクしながら笛を吹き吹き登る。楽古岳の帰りには背丈位は有る蕗の中にヒグマが寝ていた(?)所で、洗面器一杯位は有るクソを発見、山荘に近いところで、その後、先頭は急に笛を吹く回数が増え、最後尾は後を気にしてたびたび振り返る。会わなくて良かった。
 日高の山は登山道が無いところが多く、沢を遡行して頂きに立つ場合、沢登りの経験とザイルワークを習得して出かけて下さい。今回は8mm×30mのザイルを使用し、ハーネスは携行せずシュリンゲを使用した簡易ハーネスとカラビナで代用した。渓流靴は必携で、地下足袋に草鞋でも良いと思う。カムイエクウチカウシは長時間遡行など行動時間が長いので、軽量で日帰り(約12〜13時間)山行を検討しても良い。雨で沢が増水すると遡行不能(今回のカムイエクウチカウシ等)になり、帰れなくなるところが多く、勇気を持って中止・撤退を決めて下さい。
 帰りの車の中で次回再挑戦は何時にしようか・・、そんな話題を交わしながら帰る。

七ノ沢出合

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