　北海道の山でなかなか行けなかった幾つかの山を今回登る事にした。ＪＲの切符は１週間使えるフリーキップ(\23,000)にし、効率よく回るために夜行列車を積極的に使うことで、何時もの山行とは違い事前の日程・計画に時間をとられた。大千軒岳は標高も1000ｍを少し超えている程度、昔迫害された蝦夷キリシタンが処刑された悲しい歴史をもっている。ﾀｸｼｰで入山、登山口で一人で一夜を過ごし早朝、赤布とペンキを頼りに何度も川を横切り、100ｍ近い高巻きも有り結構厳しい知内川の遡りで頂上を目指す。尾根に取り付くと一気の急登、約１時間で千軒平、朝露で下半身はぐっしょりとなるが、朝日を浴びながら大千軒岳への稜線を気持ち良く歩く。往路を登山口へ戻りテントを撤収、思ったより早い時間に帰れたので国道までの約８kmの林道を歩く。ﾀｸｼｰ代\5,400 は浮いたものの重いｻﾞｯｸと炎天下２時間の歩きは結構辛かった。
　夜行列車で札幌へ行き、テントをロッカーに入れバスでキロロ・リゾートへ、此処でも３kmの林道を歩く。約２時間で余市岳、往路を引き返し又林道歩き、途中で車に乗せてもらいバス停へ。バスの出発までの１時間半はホテルの芝生の上でトウモロコシをつまみにビールを飲んでのんびりする。札幌へ戻り、昔登った斜里岳をもう一度登りたくて夜行列車で網走へ向かう。登山口のある清里町駅はすっかり変わって無人駅になり駅前も昔の面影は無く、しかもタクシーもいない。近くの民宿でタクシーを呼んでもらう。見覚えのある清岳荘も綺麗に改装されていた。前回は此処に泊まり強い雨の中をひたすら登り、山頂では写真だけ撮って下ったが、今回は良い天気で多彩な表情を見せる滝の連続を眺めながら気持ち良く登り、山頂ではのんびりと昼食。下山は新道コースを下る。下山後、登山中前後した札幌の人の車に乗せてもらい駅へ。次の列車まで約２時間、近くのスーパーで買い物をし、駅の待合室で宴会。網走へ戻り洗濯、銭湯へ行き夜行列車の出発まで夜の網走を楽しむ。三日続けた夜行列車、寝不足の疲れた体で雨の札幌着。予定通りニセコへ向かうが雨は強くなるばかりで、登山口に着いた時には土砂降り、迷ったあげく日に一本しかない乗って来たそのバスで引き返す。次の予定が一日早まってしまう。　北海道の山へ登り初めてから１１年、当初から何度も計画したが行けなかった山の一つが天塩岳、今回是非とも登りたくて旭川から士別・朝日町へ向かう。予約していたタクシーに乗り換えて天塩岳ヒュッテへ着いたのは１９時半頃、周囲は真っ暗で雨は相変わらず強く降っている。ヒュッテは二階建てで畳敷き、ストーブも有り旅館並の清潔さ、本日の泊まりは自分だけ、勿論管理人は居ない。その夜は雷鳴と激しい雨が夜明けまで続いていたが、天気は急速に回復し青空が見え出し急いで出発する。前天塩岳の山頂直下ではさすが北の山、標高が1500ｍなのにコケモモがそこらじゅうに自生していて、コケモモ採りに夢中になって山頂に行き着けない状態。前天塩岳からいったん下って登り返すと天塩岳、遠く大雪山系が望める。天塩岳から円山を経由し新道から旧道へ下り無事ヒュッテに着。稜線を歩く時以外は熊避けにとにかく声を出す。一人だとついカラオケになってしまうが登りでは結構辛く、それにしばらく歌っていないせいか、老化したのか歌詞が思い出せない。”忘れちゃった！”の連続。後で入山名簿を見ていたら二日前にヒュッテの近く１５分の所で熊が目撃されていたらしく危ない危ない。二日目も一人で泊まる。
　とにかく北海道は広くて、車が無いと効率よく山登りが出来ないが、天塩岳からの帰りは運良く遊びに来た人の車で駅まで送ってもらい、またしても予約タクシーをキャンセルし、今回タクシー代約\18,000が節約出来た。無事羽田に着き、まだ登っていない北の山の事を思い次の計画を考え始めてしまっている。

羽田－飛行機－函館空港－函館－古木内－福島－ﾀｸｼｰ－奥二股登山口（Ｔ）登山口5:00･･･
金山番所跡･･･千軒平7:40/8:00･･･大千軒岳8:15/8:40･･･登山口10:50､11:30･･･国道12:00
－ﾋｯﾁﾊｲｸ－古木内－函館－札幌　（夜行列車）札幌-ﾏｳﾝﾃﾝﾎﾃﾙ前･･･登山口12:00･･･
余市岳13:45/13:55･･･ﾏｳﾝﾃﾝﾎﾃﾙ前15:20､－札幌－網走　（夜行列車）網走－清里町-ﾀｸｼｰ-
清岳荘8:40･･･下二股･･･上二股･･･馬ノ背10:40･･･斜里岳11:00/11:30･･･熊見峠･･･清岳荘13:20
-車-清里町－網走－札幌（夜行列車）札幌－倶知安－ニセコ山の家－倶知安－札幌－旭川
－士別－朝日町-ﾀｸｼｰ-天塩岳ヒュッテ（ヒュッテ）ヒュッテ7:30･･･前天塩岳10:00･･･天塩岳11:00
･･･ヒュッテ14:00 （ヒュッテ）ヒュッテ－車-士別－旭川－旭川空港－飛行機－羽田