（参加者８人）ガイド(添乗員)早川晃生、岩﨑照幸、他６名

　6000ｍの山を目指して上記ツアーに参加する。参加者は以前から海外に一緒に参加していたＦ氏、Ｋ嬢、Ｕ女史の他に３名、ガイド（添乗員）としてアクアエアの早川さんの計８名。さらにアタック時には現地ガイド３名を加えて合計１１名による登頂ツアーとなった。
　エクアドル（スペイン語で赤道の意味）は南米大陸の北西部、その名が示す通り国の中央を赤道が横断する国で、アンデス山脈の一部を形成するシエラ（アンデス高地）には、氷河をまとった５千ｍ級の山が９座、６千ｍ級の山が１座あり、最高峰チンボラソ(6310m)とコトパクシ峰(5897m)は秀麗な山として、あるいは比較的安全に登山できる山として毎年シーズンを問わず多くの登山者で賑わっている。
１２月２６日
　成田に集合、18:15、ＡＡ１２８便にて出発する。途中、サンホセとダラスで乗り換えてマイアミ着が現地時間１２月２７日のＡＭ１時頃、ホテルは予約してあるも空き室が無いとのこと、交渉の結果何とか泊まれるが、自分は床にマットを敷いて寝袋で横になる。
１２月２７日
　17:10，ＡＡ９６７便でエクアドルの首都キトーへ、21:30頃着、ホテルへ。何と飛行時間約２０時間、２日間もかかってやっと現地に到着。少々疲れる。明けて２８日、本日から高度順応開始、アタック日までの概略行動は次のように行われた。尚ホテルの標高はキトー、リオバンバとも約2850ｍ。
１２月２８日
　2850ｍ～車3700ｍ～歩き4050ｍ～歩き3700m～車ホテルへ。天気良し。
１２月２９日
　2850ｍ～車4000ｍ～歩き4800ｍ(ﾋﾟﾁｬﾝﾁｬ山頂)～歩き4000m～車ホテルへ。山頂では小雪に見舞われる。順応順調。
１２月３０日
　車でリオバンバ（登山基地の町）へ移動。2850m～車カレル小屋へ4800ｍ～歩き5000ｍ～　歩き4800ｍ～車ホテルへ。順応順調でお話をしながら歩ける。この時点で高度順応が遅れている人が数人いて、予備日を使用して高度順応を更に一日増やし、アタック日を一日延ばすことでガイドより提案がある。自分はかなりの高度順応をしていて、アタック日の予備日を使用することに不安（アタック出来なくなる）を感じていたが、全員登頂が目標なので同意する。
１２月３１日
　2850m～車4800m～歩き5150m～歩き4800m～車ホテルへ。特に問題はないが少々疲れが残っている。
１月１日
　2850m～車4800m～歩き5150m～歩き4800m（カレル小屋泊）。
１月２日
　4800m～歩き5000m（装備一式背負って）～雪面歩き5300m(ｱｲｾﾞﾝ･ﾋﾟｯｹﾙ）～雪面歩き5000m（ウインパー小屋泊）。朝起きたときに首筋に痛みが有り、頭痛がしたが、行動している間に回復する。　
１月３日
　アタック日、２日の１５時に夕食を済まし、良い天気の中２２時まで仮眠する。２２時少し前に起き、スープを中心とした簡単な朝食を取って装備を整える。ザイルパーテーが発表され、４組に分けられた最後の組でＦ氏と組む。２３時真っ暗な中を出発する。氷河に取り付く手前の雪が少なく氷壁をザイルを使用して登る。当初予定していなかった内容でかなりの時間（約１時間）を費やした。最後尾なので体が冷え切ってしまう。氷河の取り付きを登り、トラバースを終えて西稜のコル(5400m)へ向けて登る。コルから西峰(6267m)まで３０度～３５度の急な雪壁をひたすら登る。途中でヘッドランプの電池（リチューム電池）が無くなり、スイッチを入り切りしながら使用する。5700ｍ付近でザイルパーテーのＦ氏がリタイヤ、やむなく別のパーテーに組み替えする。やっと5800ｍ付近で先頭のパーテーに追いつく。（先頭は約40分も待っていたらしい）この時点で、組み替えたパーテーのスピードが遅いので再度、編成替えを行い自分はトップで登っていたパーテーに入る。日本人ガイドがトップでぐんぐん引っ張る。途中パーテーの組み替え等でほとんど食事が摂れずにバテてきた。ザイルパーテーのＴ嬢もかなり疲れており、お互いに相手が休むことを期待して登る状態がかなり続く。傾斜が緩やかになって陽が当たり始め、ピークが見えても足が思うように進まず、やっとの思いで8:20、西峰到着。握手をし、抱き合って喜びを分かち合う。嬉しさと共に今までに体験した事がない疲れを感じる。
　写真を撮り8:30ザックをデポして本峰へ出発。本峰は目の前に見えるが一度下り登り返しす。8:55、本峰登頂。天気は最高に良い、遠くコトパクシ峰が見える。記念写真を撮り9:00下山開始。西峰への登り返しも厳しく、しばしば立ち止まる。　
西峰9:20着、休憩後、快晴の中をＴ嬢をトップにして登頂の喜びをかみしめながら、疲れた足に意識的に力（気合い）を入れてどんどん下る。数回の休憩後、下山中の別パーテーに追い付き、Ｆ女史が高度の関係で目が見えなくなってガイドに付き添われて下山していた。氷河のトラバース点でアイゼン、ハーネス等を外し、ガラ場一部ザイルを使用して下り、ウインパー小屋に１２時少し過ぎに到着。登り１０時間、下り３時間、合計１３時間を要した。最初の氷壁部の登りを除けば、ほぼ標準時間であった。
　今回参加したメンバーの結果は、目標の６０００ｍ到達者は現地ガイド１名を含め７名、西峰まで５名、本峰までは４名となった。休憩後、パッキングを済ませ13:30カレル小屋へ、１４時半頃カレル小屋を後にして車で一路キトーへ。キトーでの夕食ではビールが美味しく、中華料理もお腹一杯食べて長い一日がやっと終わった。
１月４日
　本日は帰国の準備で早朝からパッキング、昼前から世界文化遺産に指定されているキトーの旧市街と赤道へ観光に出かける。天気も良く疲れもあってバスの中では気持ち良く寝ていた。日焼け止めをしたにもかかわらず昨日の行動で顔はヒリヒリと痛い。夕食はフォルクローレを聴きながら最後の楽しい時間を過ごす。
１月５日
　早朝に帰国の途につき、途中マイアミに一泊してシアトル経由で成田に。シアトルからは仲間の一人が体が痛いことを理由に席の変更を申し入れたところ、グループ全員ビジネスクラスに変更してもらえ、初めての体験で食事もサービスも格段に違い、美味しい日本酒を心ゆくまで飲めてゆったりとした気持ちで帰れた。
１月７日
　成田16:30着。税関も無事に通過、再会を約束してそれぞれ自宅へ。　　
　　　　　　　　　　　　　　　山頂での記念写真は別途「その他」に掲載）　　　　　　　　　　　　　　　　　